
京都大病院(京都市左京区)で平成21年7月、胸腺の摘出手術を受けた際、誤って神経を切断されて左肺の半分が機能しなくなったとして、大津市の自営業の男性(67)が26日、同病院に約1730万円の損害賠償を求める訴訟を京都地裁に起こした。
訴状などによると、男性は同年6月、同病院呼吸器外科で検査を受け、胸腺腫と診断された。7月に胸腺摘出手術を受け、同科の男性医師が執刀したが、胸腺を切除する際に左横隔神経を切断。病院側は8月、男性に説明を行い、執刀医は「切る必要がないところを切った」としたという。
男性は9月末に退院したが、神経が切断されたことで左横隔膜が押し上げられて左肺が圧迫され、左肺の呼吸機能は手術前の半分となったといい、「執刀医らが神経の確認作業などを怠ったため機能が低下し、多少の歩行や重たい荷物を持つと息切れし、階段の上り下りも困難になるなど、日常生活に不便が生じた」と主張している。
原告側によると、京大病院側はその後、「執刀医らの確認作業が不十分で、神経に対する注意が低くなっていた」などとする内容の報告をとりまとめたという。
提訴について京大病院は「訴状が届いていないためコメントできない」としている。
出典:産経WEST