胃カメラ洗浄不足、900人検査へ 日高医療センター

公立豊岡病院組合日高医療センター(兵庫県豊岡市日高町岩中)は24日、2013年7月~15年10月に人間ドックなどで使った胃カメラの洗浄で、洗剤の使用期限切れなどがあった、と発表した。消毒などはされていたためウイルス感染の可能性は低いとみているが、豊岡市内を中心に検査を受けた約900人に無料で血液検査を行う。

10月16日、洗剤卸業者による棚卸しで発覚。検査後、手で胃カメラを洗う際に使う酵素系洗浄剤の期限が14年6月までだった。手洗い後の自動洗浄装置にも不具合があり、洗浄剤が使われていなかったことも判明。正常な作動を確認したのは13年7月だったという。

評価を依頼した神戸大医学部付属病院の医師は「消毒まで推奨されている基準に準じており、感染の可能性はほとんどない」としたが、対象者には謝罪文を送り、検査を勧める。今回の確認中、血液検査の22人の結果通知にミスがあり、個別に謝罪したという。

同センターの田中愼一郎副院長は「利用者に心配とご迷惑をおかけした」と謝罪。今後はマニュアルを見直し、洗剤の使用期限を徹底する。(若林幹夫)

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心電図異常のアラームに気づかず男性死亡 兵庫県立淡路医療センター

兵庫県洲本市の県立淡路医療センターで昨年11月、男性入院患者(当時77歳)の心電図の異常を知らせるアラーム(警告音)に看護師が1時間以上気づかず、男性が死亡していたことが23日、分かった。病院は事故調査委員会を設置し、過失を認めて対応の遅れがあったことを遺族側に説明、謝罪したという。

同病院によると、昨年11月15日、一般病棟の4人部屋に入院していた男性は、尿道にカテーテルを通すなど処置を受けた。翌16日午前6時38分ごろに容体が急変して心電図モニターの異常を知らせるアラームが鳴ったが、夜勤の看護師3人は気づかなかった。約72分後の同7時50分に別の用事で病室に入った看護師が男性の意識がなくなっていることに気づいたが、約3時間後に死亡が確認された。死因は心不全だった。

アラームはナースステーションと病室の両方で鳴る仕組みだったが、看護師3人は見回りのためナースステーションにいなかった。看護師3人の担当病棟は計45床。病室のアラームは他の患者への配慮などから音量を下げていたという。

病院は「音量は15段階の8くらいだった」と説明。事故調査委員会を設置し、「アラームに適切に対応していなかったため、異常の発見が遅れた」として過失を認めた。

事故を受け、最も症状の重い患者はアラームの音量を最大にし、アラームに連動するPHSを看護師が携帯するなどの再発防止策を講じているという。

出典:産経デジタル

幼児の足一部壊死 尼崎総合医療センターで事故

兵庫県は25日、尼崎総合医療センター(尼崎市)で今年10月、幼児の右脚骨折による骨のずれを治す措置をした際、ギプスを代替で用いたため、右足がただれて一部壊死(えし)する事故があったと発表した。全治2カ月半の重傷。後遺症はないという。

県によると、幼児は10月10日に同センターに救急搬送。骨がずれるように折れており、スピードトラックと呼ばれる箱型の専用器具で引っ張って矯正する必要があったという。

しかしこの器具がなかったため、当直医と当番医の判断で11日にギプスを右足に巻き、重りを付けて代用。ギプスは肌と触れる面積が広い上に経過観察が難しく、15日に母親が足の腫れに気付いて、甲やかかとがただれているのが分かったとしている。(斉藤正志)

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誤って違う指を手術 三田市民病院などに賠償命令

三田市民病院(兵庫県三田市けやき台)で健常な右手中指を誤って手術され障害が残ったとして、三田市の男性(68)が市と整形外科医に計約3200万円の損害賠償を求めた訴訟で、神戸地裁は19日、医療ミスによる障害と認め、市と医師に計約1130万円の支払いを命じた。

病院側は「リウマチの影響も否定できない」と主張していたが、寺西和史裁判官は「リウマチ症状がある他の指より、右中指の可動域は大きく制限されており、障害は手術によるもの」と退けた。

判決によると、男性は2013年3月、断裂した右手薬指の腱(けん)の修復手術で、中指も切られ動きにくくなる症状が残った。

三田市民病院は「対応を協議中でコメントは差し控えたい」としている。

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麻酔医「禁忌薬と知り使った」 東京女子医大鎮静剤投与死

東京女子医大病院(東京都新宿区)で2月、男児(2)が手術後に鎮静剤「プロポフォール」の過剰投与で死亡した事故で、同大の高桑雄一医学部長らが5日、都内で会見し、病院の調査とは別に、独自調査を行ったと発表。鎮静剤を投与した麻酔科医が「子供に使ってはいけない禁忌薬と知っていて使った」などと説明していることを明らかにした。

高桑氏によると、事故発生後、高桑氏らは麻酔科医や上司ら6人に独自の聴取を実施。麻酔科医は「(プロポフォールは)麻酔が効きやすく、効果が抜けるのも早いため管理がしやすかった」と話したという。5月には麻酔科医を教育現場から外し、全教員に禁忌薬についての再教育を行う再発防止策を講じたという。男児同様に、人工呼吸中の子供にプロポフォールを投与した例が、平成21~25年に55例あったことも明らかにした。病院調査に先駆けて独自調査を公表したことについては「記者会見をするよう理事会に何度も呼びかけたが反応がなく、説明責任が果たされていないと感じたため」とした。

一方、大学側は同日、昨年までの5年間に、人工呼吸中の子供63人にプロポフォールを投与したと公表。独自調査と数字に食い違いが出た。

出典:産経デジタル

必要ないのに右乳房全摘出 取り違える 千葉県がんセンター

千葉県がんセンター(千葉市中央区)は25日、同センターを受診した県内の30代女性の検体を別の患者のものと取り違え、本来実施する必要のない乳房全摘手術を行う医療事故が起きたと発表した。原因は特定できていない。同センターは外部の有識者らを交えた院内事故調査委員会を設置し、原因究明と再発防止に取り組む方針。

同センターによると、女性は10月中旬、乳がんが疑われる部位に針を刺し、組織を採取する「針生検」を実施。進行したがんと判断され、MRI検査でも多発がんが疑われたことから、12月上旬に右乳房全摘手術を受けた。

だが、同センターが摘出した乳房を調べたところ、針生検で採取した検体が別の50代女性患者のものと取り違えられていたことが判明。手術を受けた女性は実際は早期がんで、直ちに乳房を全摘する必要はなく、経過観察か部分的な切除で済んだ可能性があるという。2人は同じ日に針生検を受けていた。

同センターでは平成20~26年、消化器外科で腹腔(ふくくう)鏡下手術を受けた50~80代の男女11人が手術当日から約9カ月後の間に死亡。原因について調査していた県の第三者検証委員会が今年3月末、このうち10例で術式の選択方法やチーム医療体制に問題があったなどと指摘していた。永田松夫病院長は「改革を進めていた中で発生し、重く受け止めている」などと述べた。

出典:産経新聞

江戸川病院で腎移植の患者死亡 業務上過失致死容疑で捜査

東京都江戸川区の江戸川病院で昨年11月、生体腎移植を受けた男性が手術の9日後に死亡していたことが24日、関係者への取材で分かった。体内からカテーテルを抜いた直後に容体が急変しており、警視庁小岩署は業務上過失致死容疑で、医師らから事情を聴いている。

遺族側代理人によると、死亡したのは関東地方に住む60代の男性。重度の腎不全のため、昨年10月29日に妹をドナーとする腎移植手術を受けたが、11月3日に医師が静脈カテーテルを抜いた直後に心肺停止状態となり、7日に死亡した。

主治医は遺族に「カテーテルを抜いたことが原因になったかもしれないが、他に主因がある」などと説明。男性を火葬する直前に、遺族に「医療ミスがあったので、遺体を確認したほうがいい」と匿名の情報提供があり、遺族が同署に相談していた。

同署が司法解剖した結果、死因は肺動脈に空気が詰まる「肺動脈空気塞栓(そくせん)症」だった。

代理人によると、通常、カテーテルを抜く際は空気が入ることを防ぐため、患者をあおむけにする必要があるが、当時、男性はあぐらをかいた状態で処置を受けたという。同署は処置と死亡との因果関係を慎重に調べている。

日本移植学会は同病院に対し、調査委員会の設立と調査終了までの移植手術の中止を勧告した。同病院は産経新聞の取材に「調査委員会の結論が出るまで何も話せない」としている。

出典:産経ニュース

「手術しなければ延命」…群大問題、遺族側会見

群馬大学病院(前橋市)で肝臓の手術後に患者が相次いで死亡した問題で、遺族とその弁護団(団長・安東宏三弁護士)が19日、群馬県内で記者会見し、独自調査した開腹手術5例の全てについて「手術しなければ延命できた」などとする中間報告書を公表した。

遺族らは執刀医らに直接説明するよう改めて求め、十分な回答がなければ法的措置も辞さないと表明した。

独自調査では、いずれも開腹で、肝臓の手術後に死亡した4人と、膵臓(すいぞう)の手術後に死亡した1人について、消化器外科の専門医に検証を依頼。カルテや画像を解析し、術前の説明、手術や術後の経過について検討した。

専門医は「手術をしなければその時点で死ぬことはなく、少なくとも数か月は生きられた」「術前に必ず行うべき検査をしていない」などと指摘。手術でがんを取り切れない場合も中止せず、強引に進めた例もあり、患者の利益よりも難しい手術への挑戦を優先した可能性があることも問題視された。

出典:読売新聞

伊勢赤十字病院 人工透析後死亡、遺族と示談成立 /三重

伊勢赤十字病院(伊勢市船江1)は17日、2013年2月に80代の男性入院患者が血液の人工透析中、機器と体をつなぐ管の接続プラグが外れて大量に出血し、約3カ月後に死亡する医療事故があったと発表した。病院側はミスを認め、今月、遺族と示談が成立した。

病院によると、男性は重い病気で救急搬送され13年1月に入院し、同月末から透析を受けていた。管のプラグは当時、新たに導入したもので、メーカーの添付文書にあった「30時間以上の使用は避けること」との注意書きを見落とし、約130時間連続で使用していた。プラグが外れた際にも発見が遅れたという。同院は「再発防止に向け、安全管理体制を強化する」としている。

出典:毎日新聞

患者の肺がん、3年以上見落とす 名大病院が医療ミス

名古屋大学病院は21日、40代男性患者の肺がんを3年以上にわたって見落とし、治療が遅れて死亡する医療ミスがあったと発表した。石黒直樹病院長は「重大な医療ミス。心よりおわびする」と陳謝した。

男性は他の病院で腎臓がんの摘出手術をした後、2007年から名大病院に通院。半年に1度CT検査を受けていた。12年6月、左肺にがんが見つかったが、胸膜に転移して手術できない状態に進行しており、14年3月に死亡した。

病院が半年ごとのCT画像をさかのぼって検証した結果、早ければ08年10月、遅くとも09年5月には、肺に異常を発見して精密検査をすべきだったことが分かった。09年時点で発見されていれば、手術ができたと結論づけた。

出典:朝日新聞