
神戸市の民間病院「神戸国際フロンティアメディカルセンター」で生体肝移植手術を受けた患者のうち4人が死亡した問題で、センターが26日、記者会見を開き、3人は救命できた可能性があると指摘した日本肝移植研究会の調査報告書に反論し、報告書の指摘について研究会に異議を申し立てることを明らかにした。
センターの田中紘一院長(73)は「4人が亡くなったことについては、重く受け止めている」と述べた。その上で、「報告書の『救命できた可能性』という言葉が一人歩きしている。手術では全力を尽くしてきた」として、適切な治療に当たったと改めて反論した。
調査報告書で、常勤医が足りないなど院内体制の不備を指摘している点について、田中院長は「近くに優れた病院があり、いざとなれば応援に来てもらえる」「大学病院よりも良い体制なのではないか」と主張。「いくつか誤った認識がある。研究会に見解を求めたい」として、異議を申し立てる方針を示した。
現在中断している生体肝移植の手術再開については、田中院長は「報告書の提言をさらに読み込み、どうするか考えたい」と述べ、明言しなかった。
研究会は報告書で、死亡した4人のうち3人は、手術や診察が適切であれば救命できた可能性があり、手術前の検査や術後の管理にも問題があったと指摘。センターに抜本的な院内体制の改革を求めていた。
出典:産経ニュース
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