子宮手術で医療事故、脳に障害 船橋市立医療センター

船橋市立医療センター(千葉県船橋市金杉1丁目、丸山尚嗣院長)は22日、2015年5月に同市内の女性(35)が手術後に一時心肺停止状態となる医療事故があり、女性側と和解が成立したと発表した。市は、約6900万円(利息分を含めると総額約7700万円)の和解金を支払うとしている。女性は脳に障害が残り、現在も寝たきりの状態だという。

医療事故報告、想定の3分の1以下 病院の理解進まず
女性側との和解の内容は、和解金の支払いのほか、自己負担金がゼロとなる形で終生の入院看護を医療センターが引き受けるというもの。26日開会の市議会6月定例会に補正予算案や議案として提出する。

医療センターによると、女性は、子宮筋腫の摘出と両側卵巣部分切除の手術を受けた。手術後、ベッドのまま病室に運んで体にモニターをつけたところ、心肺停止を知らせるアラームが鳴った。救命措置をして心拍は回復したが、低酸素性脳症になったという。

この事案をめぐって、外部の医師を含めた医療事故調査委員会が設置され、15年8月に報告書を提出。心肺停止については原因が特定できなかったとする一方、「心肺停止の認識および胸骨圧迫の開始が迅速に行われたとはいえない」と指摘した。

医療センターによると、手術室から病室までは看護師と助産師が運んだが、体にモニターはつけておらず、手首で脈を1回測っただけだった。また、心肺停止後は、ガイドラインでは胸骨圧迫を優先すべきだったのに、気道確保などを先にして胸骨圧迫が遅れたとしている。

事故後は、ガイドラインに則した研修を行い、手術室から病室までの移動中はモニターを付けて心拍数などを確認する再発防止策をとっているとしている。

<アピタル:ニュース・フォーカス・その他>

http://www.asahi.com/apital/medicalnews/focus/(大谷秀幸)

出典:朝日新聞デジタル

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