情報共有不十分で肺がん患者死亡 名大病院謝罪

名古屋大病院(名古屋市昭和区)は13日、コンピューター断層撮影(CT)で肺がんの兆候が見られたのに、医師間で情報が共有されなかったため、見過ごされ、名古屋市の50代の男性患者が2年後に死亡する医療ミスがあったと発表した。

記者会見した石黒直樹病院長は「情報共有が不十分となった結果、重大な医療事故となった。患者さんとご遺族に深くおわびする」と謝罪した。

同病院によると、男性は2014年6月、高熱のため救急外来を受診。前立腺炎と診断され、2週間で症状が改善し受診を終えた。この際、CT検査を担当した放射線科医2人は「右肺に陰影があり、肺腫瘍の可能性がある」との画像診断報告書を作成していたが、救急外来や泌尿器科の医師は報告書を確認せず、男性にも伝わっていなかった。

男性は今年3月にせきが続いたため、同病院で再受診し、肺がんと診断された。「ステージ4」の状態で、7月に死亡した。

同病院は、情報の共有を徹底するため、15年6月から画像診断報告書の一元管理システムを導入。診療科の医師が報告書を読んでいない場合に電子カルテの画面上に未読通知を表示するようにしている。【梶原遊】

出典:毎日新聞

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