京都大学医学部付属病院で機器の取り違え医療ミス

2011年11月、京都大学医学部付属病院で手術を受けた50歳代の男性患者が、透析用の機器の取り違えで死亡する医療ミスがありました。

男性は元々、腎不全を患っていたため透析治療をあわせて受けており、機器を交換した約3時間後に容体が急変しそのまま亡くなりました。原因としては、人工透析用ではない別の機器が装着されていた事によるものでした。機器は形が似ている上、隣り合わせに保管されており、交換した看護師や医師ら3人は機器が大きいなどの違和感があったにもかかわらず確認を怠ったといいます。

その後の調査委員会では、大きく下記の問題があることが報告されました。

  1. 医師・看護師の教育不足
  2. 類似の機器が近くに置いてあるなど、物品管理体制の不備
  3. チェック体制が整っていない
  4. 過去の医療事故の教訓が生かされていない点

報告書によると、形が似ている血液濾過器(人工透析機器)と血漿分離器(誤って装着した機器)が棚に並び、内容が一見して分かるラベルもなかったそうです。看護師と当直の医師2人は、器具の扱いの知識や経験が不足し、3人の間で確認作業も一切ありませんでした。しかも、ひどいことに、夜間や休日は医師31人中、確実に扱えたのは7人だけだったとのことです。

また、過去に、京大病院では精製水とエタノールを取り違え患者が死亡する事故が発生しており、その教訓が病院体制の改善に活かされておらず、同様の事故が起こっているのは極めて深刻な問題だとしている。

今回の医療過誤は、教訓を活かせば簡単に防げたと思います。少し考えるだけでも、ラベルで分かるように管理する・医師と看護師によるダブル/トリプルチェックを行うなどしていれば救えた命なだけに悔しさが残ります。今後も改善が見られないのであれば、こんな病院は無くなれば良いと思います。

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