生体肝移植患者死亡で緊急討論も 神戸で日本肝移植研究会

肝移植の専門医らが国内外の連携や人材育成について議論する学術集会「第33回日本肝移植研究会」が28日、神戸市内で始まった。2日間の日程。神戸国際フロンティアメディカルセンター(同市中央区)と、同センターが連携するインドネシアの病院で生体肝移植を受けた患者計7人が死亡した問題を受け、緊急討論会も開催される。同センターの田中紘一院長(京都大名誉教授)は、参加を予定していたプログラムを欠席した。

当番世話人を務める神戸大大学院医学研究科の具英成(ぐ・えいせい)教授は、開会の辞で「肝移植を見つめ直す時期に来ている。いかに国際貢献をしていくかといった問題も浮上し、実のある議論を行いたい」と述べた。

29日に開かれる討論会のテーマは「肝移植における国際貢献のあり方」。各医療機関が実施する海外での移植支援や外国人患者受け入れの実例を挙げ、望ましい国際貢献の姿を検討する。また、同センターが、神戸市が進める医療産業都市の中核を担っていることを踏まえ、生体肝移植を医療産業と位置付けることがふさわしいか議論する。

同センターでは昨年12月~今年3月の手術で、インドネシア人患者2人を含む4人が術後1カ月以内に死亡。同研究会は4月、センターの院内体制と術前術後管理の不適切さを指摘する報告書をまとめ、今月には日本移植学会とともに、麻酔医や病理医らがそろった総合病院並みの体制で生体肝移植を実施するよう全国の移植医らに勧告した。

学術集会はシンポジウムやパネルディスカッションなど、40以上のプログラムが組まれている。

出典:産経ニュース

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