生体肝移植で患者7人中4人死亡【神戸国際FMEC】

昨年11月に開設された神戸市中央区の病院「神戸国際フロンティアメディカルセンター」で、3月までに生体肝移植手術を受けた患者7人のうち4人が死亡していたことが14日、センターへの取材で分かった。全国の肝臓移植医でつくる日本肝移植研究会が調査に入り、原因解明を進めている。センターは「調査結果を待ちたい」としている。

生体肝移植は、肝臓がんや胆道閉鎖症など重い肝臓病の患者に、家族ら健康な人の肝臓の一部を移植する手術。移植医療関係者によると、患者の1年後の生存率は85%という。

センターなどによると、今年3月までの4カ月間で、国内外の計7人に親族からの生体肝移植手術を行ったが、うち日本人2人とインドネシア人2人の計4人が、手術後に状態が悪化して死亡した。このうち2人は15歳未満だったという。

通常、生体肝移植の場合には6~10人の医師が必要とされるが、センターで生体肝移植を主に行う常勤医は3人。手術の際には県内外から医師を招いて対応していたという。

センターは今後、手術に問題がなかったかを確認し、調査結果が出てから対応を検討するとしている。

一方、センターの開設許可を出した神戸市は14日、今月7日にセンターに対し任意の調査を行ったことを明らかにした。市の担当者は「院内に倫理委員会を設置しており、患者を選ぶ過程、倫理委員会の体制、手続き面や衛生安全面について、今回の調査では問題は無かったと判断した」と話した。

■神戸国際フロンティアメディカルセンター 消化器がん診療などの先端医療を提供することを目的に、神戸市が神戸ポートアイランド(同市中央区)で進める「神戸医療産業都市構想」の一環として平成26年11月に開業した民間病院。市は施設の土地を減額して貸し出すなどの補助をしている。多くの生体肝移植手術の実績がある田中紘一・京都大名誉教授が院長を務める。海外の患者の生体肝移植も受け入れている。

出典:産経ニュース

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