順天堂医院に立ち入り検査 点滴中断後「容体悪化」 医療ミスか

天皇陛下の執刀医が院長を務める病院に、東京都の立ち入り検査が入った。
ベッドで横になり、娘の呼びかけにうなずく、74歳の女性。
順天堂医院の心臓血管外科で治療を受け、現在は、寝たきりの状態だという。
2015年4月、心筋症による心機能の低下と、血液が逆流する弁膜症と診断され、順天堂医院に入院した。
ところが、手術に向けて体調を整えていた、2015年6月17日、突然、容体が悪化。
女性の家族は、「心臓が悪化して、もう本当に、顔をゆがめて苦しそうにしていて、救命をなんとかしようとしているところに、わたしが見に到着して」と話した。
女性の家族は、1週間後に主治医と交わしたやり取りを録音していた。

親族「医療ミスがあったということですね?」
主治医「医療ミスって…、まあ、そうですね」

医療ミスがあったと話す主治医。
どんなミスだったのか。
主治医は、「ドブタミンに行けなかった時間帯があるということは、事実として出てくる」と話していた。
ドブタミンとは、強心剤の一種。
一定期間、絶え間なく点滴で投与する必要があるが、家族によると、容体急変の際、ドブタミンはなくなり、点滴をする機械の電源も切れていたという。
なぜ、投与は止まったのか。
主治医は、「彼女(看護師)は、もう(薬剤を)作成しなければいけないこともわかっていました。でも、自分が(薬剤を)作って戻ってくるまでの間に、(点滴の機械の)アラームがまた鳴ってしまうということを考えて、アラームを消したと」と語った。
家族によると、看護師が、薬剤作りを優先して、点滴の機械の電源をオフに。
そのため、40分前後、投与が止まったという。
4カ月後、順天堂医院は、「入院中に点滴が一時中断していたことから、患者様ご自身へのご負担、ならびにご家族にご心労をおかけしたことについては、誠に申し訳ございませんでした。心臓血管外科 科長 天野 篤」と、女性に文書でおわびした。
女性が寝たきりとなったのは、点滴の中断と関係があるのか。
家族によると、主治医は、女性の心臓がもともと弱かったことを理由に、点滴中断と、病状悪化の因果関係を否定するような説明をしていた。
主治医は、「もうやっぱり、心臓が、心臓自体が、ちょっとずつ、ちょっとずつ弱まっていくと。もともと、そういう病気なのでね」と話していた。
9日、会見に臨んだ家族は、順天堂医院を相手取った訴訟も検討しているという。
女性の家族は、「医療ミスを認めて、天野先生とか、担当の看護師さんに謝罪していただきたいって思います。本当に、母の心臓を返してほしい」と語った。
治療行為に、問題はなかったのか。
順天堂医院は、「現段階としては、患者さまの個人情報もあるので、お答えすることはありません」とコメントしている。
東京都は9日、順天堂医院への立ち入り検査を実施。
今回の医療行為について、くわしく調べる方針。

このニュースに関しては、事実や因果関係について、まだまだ、わからない点がある。
東京都の立ち入り検査、そして、家族が検討しているという裁判の場で、そういったことが明らかになるのか、注目される。

出典:FNN NEWS

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