群大術後死、外科学会が51例検証へ…問題医師以外の執刀も

群馬大学病院(前橋市)で肝臓の手術を受けた患者が相次ぎ死亡した問題で、第三者による調査委員会(委員長=上田裕一・奈良県総合医療センター総長)は29日、2007~14年度に行われた消化器外科手術後に死亡した患者51人を対象に、診療に問題がないか詳細な医学的検証を行うと発表した。

この中には、既に明らかになっていた問題の男性医師による30人も含まれる。検証は日本外科学会に委託されており、来春にも結果をまとめる予定だ。

この日、京都市内で記者会見した上田委員長によると、同学会は、問題の男性医師が旧第二外科に在職した07年4月から15年3月まで8年間の調査を実施。難易度の低い手術も含め、旧第二外科と旧第一外科で行われた消化器外科の全手術(約6700例)から、入院中に死亡した64人(旧第一26人、旧第二38人)の病名や手術方法といった基礎データを検討した。64人の手術は、問題の男性医師を含む15人が執刀した。

検討の結果、51人に詳細な調査が必要と判断。今後、遺族の同意を得てカルテや検査画像を精査し、手術や術後管理など診療に問題がないか調べる。51人のうち30人は、問題の男性医師が執刀した肝胆膵かんたんすい(肝臓、胆道、膵臓)外科手術の患者(腹腔ふくくう鏡8人、開腹22人)だった。

また、上田委員長は、今月20日に男性医師と上司だった教授に聞き取りを行い、教授が、患者の死亡が相次いでいたことを認識していたことを明らかにした。それでも手術を継続した理由については、上田委員長は明言を避けた。

出典:yomiDr.

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