
新潟市民病院(新潟市中央区)は29日、同市の70代男性が、胃に穴を開けて栄養剤を入れる「胃ろう」の手術後、チューブが外れて、腹膜炎で死亡したと発表した。病院は医療ミスを認め、遺族に謝罪した。外部の専門家を交えて医療事故調査特別委員会を立ち上げ、検証結果を年内にもまとめたいとしている。
同病院によると、男性は脳出血のリハビリ中で、入院していた市内の民間病院から8月22日に市民病院に転院し、胃ろう手術を受けた。27日に民間病院に再転院したが31日、男性の胃ろうチューブが外れているのが発見された。男性は市民病院に救急搬送されたが同日、死亡した。
担当医が手術中、胃ろうチューブの先端につけたバルーン(風船)を拡張させる際に蒸留水を入れるべきところを、誤って空気を入れたためバルーンがしぼみ、チューブが抜けて栄養分を含んだ液体が漏れ、腹膜に広がったとみられる。担当医はチューブを使った手術は初めてだったが、取り扱い説明書を読まず、「空気でいいと考えた」と話したという。
市民病院は今月5日、調査結果で医療過誤と認識。9日、チューブが外れた原因について遺族に説明し謝罪。11日、江南署に報告した。
29日、市役所で開いた記者会見で、同病院の片柳憲雄院長は「マニュアルを作成、最新のものに更新するなど再発防止に努めたい」と謝罪。
今後、詳細な検証を行い、担当医の処分を検討するとともに、遺族から補償の求めがあれば応じる考えだとした。
出典:産経ニュース
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