横浜市立大学付属病院

「膵臓がん」5カ月放置、男性死亡-横浜市大センター病院

横浜市立大学付属市民総合医療センター(同市南区)は30日、検査で膵臓(すいぞう)がんの疑いが指摘された神奈川県横須賀市の70代男性に約5カ月間、適切な治療をしていなかったと発表した。担当医らが検査結果を見落としたことが原因で、男性はがんが進行し、今月16日に亡くなった。
同センターによると、男性は1月下旬に腹部大動脈瘤(りゅう)の検査入院をした際、コンピューター断層撮影(CT)検査で首の下から腹部までを撮影。放射線科医がCT画像全体を見て、「膵臓がんの疑い」とする画像診断書を作成したが、担当医らが診断書を見ていなかったため、センターはがんの治療をしなかったという。担当医らは「大動脈瘤に気を取られ、気付かなかった」と話している。
男性は6月27日に他の病院で受けた定期健診の際に膵臓がんの疑いと指摘され、翌28日に同センターで膵臓がんと診断された。センター側はミスを認め、家族に謝罪した。
同センターの後藤隆久病院長の話 今回の医療事故を引き起こしたことを深く反省し、再発防止に向けて、全力で取り組む。

出典:時事ドットコムニュース

濃度の高い酢酸液を注入する医療事故 横浜市立大学付属病院

横浜市立大学附属病院は患者に濃度の高い酢酸液を注入して医療事故が発生したことを4月30日に公表した。

 

昨年8月から入院していた心不全、腎不全の50代女性の患者は経口による食事摂取が困難で栄養チューブで栄養液を補給していた。

4月7日にCCU(冠失陥集中治療室)で加療中に栄養チューブが詰まり、医師の許可を得た看護師が開通させるために酢酸ビン(濃度約30%)から液15mlを取り出し湯3mlで薄めた液(濃度約25%)をチューブに注入した。直後に患者が腹痛を訴えたため、新たに微温湯を注入して応急処置、CT撮影を行ったが改善しなかった。4月8日注入した酢酸液の濃度が高かったことが判明、ICUで治療した結果、一時的に回復がみられたが、4月22日悪化し、4月24日に亡くなった。

事故の原因と再発防止策について
院内では栄養チューブの詰まりを予防する場合、微温湯を用いることになっていたが、詰まりを開通させる場合のマニュアルはなかった。今回の事故は、マニュアルのない中で栄養チューブの詰まりを開通するために濃度の高い酢酸液を用いたことが原因と考えられる。

再発防止を図るために早急に2つの事項を院内で徹底した。

1.入院患者に対するチューブの詰まりを開通する場合、酢酸液の使用を禁止とし微温湯のみとする。
2.酢酸ビン(濃度約30%)を病棟に置かない。
事故発生後に立ち上げた院内医療事故会議のもとに、医師、看護師、栄養士などで組織する栄養チューブ管理検討ワーキングを設置して、栄養チューブ管理の院内統一ルールを見直すなどの再発防止策を検討する。さらに外部委員を入れた事故調査委員会を立ち上げて事故の調査を行っていくという。(馬野鈴草)

▼外部リンク

横浜市立大学病院プレスリリース
http://www.yokohama-cu.ac.jp/

出典:医療NEWS