さいたま市立病院(同市緑区)に入院していた男性が、低酸素脳症となり後遺症を負ったのは病院が適切な措置を怠ったのが原因だとして、市を相手に損害賠償を求めた訴訟があり、市は約1億4000万円を支払う和解案で合意したと発表した。市は30日に開会する市議会定例会に関連議案を提出する。

市などによると、男性は現在30代。2009年8月13日に体調不良を訴えて同病院に救急搬送され、同24日に同病院内で低酸素脳症を発症した。翌年6月まで入院し、現在は自宅で療養を続けている。提訴は14年に2億4000万円の損害賠償を求め、東京地裁にしていた。

清水勇人市長は25日の記者会見で「医療事故が起こったのは遺憾。今後、そういった事故が起こらないよう、より一層しっかりと対応したい」と述べた。【奥山はるな】

出典:毎日新聞