愛知県岡崎市は23日、直腸が肛門から出る「直腸脱」の手術を市民病院で受け、翌日に死亡した同市の60代女性に対し、事前に同意を得ていたのとは別の方法で手術したとして、遺族に慰謝料など約2400万円を支払う方針を明らかにした。

市によると、女性は平成28年1月、約10センチの直腸脱が見つかり、体外に出た部分を切らずに戻す手術法に同意し、3月に手術を受けた。しかし手術中に出ている部分が約20センチあることが分かり、担当した医師らは機械で切除する方法に変更。その際、来院していた家族らの許可を得なかったという。

女性は手術後に腹痛を訴え、翌日未明に死亡。死因は腸に空いた穴から便が入ったことによる腹膜炎で、切除部の縫合が不十分だったとみられる。

記者会見した木村次郎院長は「手術に明らかなミスはなかったが、術後に検査していれば異常に気付いたかもしれない」と述べた。

出典:産経WEST