彦根市立病院(彦根市八坂町、金子隆昭院長)は8日、入院患者1人が今月3日、医療事故で亡くなったと発表した。一般的には死亡確率が1%未満の手術で2日後に死亡したという。同病院は医療事故調査制度に基づき、7日に第三者機関の「医療事故調査・支援センター」(東京都港区)に報告。院内に医療事故調査委員会を設置し、センターの支援も受けて調査する。

病院によると、患者は手術のため最近入院。1日に行われた手術中、急激に血圧が低下し、急きょ集中治療室(ICU)に移し治療したが3日に死亡した。

プライバシーを理由に患者の年齢・性別や病名などは明らかにしないが、同病院では年間10〜15件実施している手術で、死亡確率は低くこれまでに事故がなかったとしている。患者や家族にも死亡リスクを説明していなかった。しかし、患者が手術を契機に死亡したことが明らかなため、5日に院内事故対策委員会を開いて医療事故と判断したという。

記者会見した金子院長は「調査結果を待たなければならないが、一人の方が亡くなったのは事実。真摯(しんし)に受け止め、再発しないよう院内で検討していきたい」と話している。一方で「医療ミスではなかった」とし、担当医には現在も勤務を続けさせているという。

医療事故調査制度は昨年10月にスタート。医療機関は「予期せぬ死亡」があった場合、厚生労働省が指定した医療事故調査・支援センターに報告し、院内調査への支援やセンターによる調査を受け、原因を究明して再発を防ぐ。【西村浩一】

出典:毎日新聞