京都大学医学部付属病院

手術で心臓を損傷、患者死亡 京大病院、医療事故を公表

 京都大学病院は26日、心臓の手術を受けた60代後半の女性患者が死亡する医療事故があったと発表した。手術中に使用したカテーテルを引き抜く際に心臓を損傷し、意識が回復しないまま4カ月後に亡くなったという。

 京大病院によると、患者は大動脈弁狭窄(きょうさく)症で今年6月、人工の弁に置き換える手術を実施した。心臓の機能を詳しく確認するため、首の辺りから肺動脈まで届くカテーテルを入れて手術を開始。人工心肺につなぎ、弁を置き換えた。手術後にカテーテルを動かしたところ、体内で多量に出血。すぐに開胸する手術をしたが、心臓が大きく傷ついていたという。

 京大病院は調査委員会を設置。調査委は、手術で心臓に入れた別の管を縫合した際に肺動脈カテーテルも一緒に縫い込んでしまったと推定。一方で、「縫い込みに気付くのは難しい。類似例の発生防止のためにルールが必要」とした。

 稲垣暢也(のぶや)病院長は「肺動脈カテーテルの使用に関するルールに不十分な点があり、患者さんがお亡くなりになられたことを大変重く受け止めている。患者さんのご家族に深くおわび申し上げます」と話した。また、「当時の医師の判断に過ちがあったかについて、そこまでは申し上げられない」と述べた。(後藤一也、合田禄)

出典: 朝日新聞デジタル

処方薬の濃度738倍で患者死亡 院内製剤の医療ミス

2017年10月3日の各種マスコミによると、京都大医学部付属病院で外来通院して治療を受けていた60歳代の女性患者が、9月26日に自宅で同院より処方された「セレン製剤」を自宅で点滴したのちに、背中の痛みを訴え、翌日朝に同院を受診し、諸検査を施行したが異常は認めなかったが、その後、容態が急変し、同日午前中に鬼籍に入ったと報じている。

同院では処方されずに残っていたセレン製剤を調査したところ、医師が処方箋を提出した数値よりも実に738倍の高濃度である41700μg/mLであったことが判明。同院では、9月25日にも別の患者でセレン製剤を輸液と混ぜる際に変色したことを確認しているが、原因を調査中とのことで、死亡した女性患者には対応できず不幸な事件が発生してしまった。

薬剤師による院内輸液製剤の調整は慎重に行う必要がある

セレン製剤は市販されていないため、医療施設では医師の要望により「薬剤部」が院内調整を行っている。セレン注射剤の場合には、亜セレン酸ナトリウム66.6mgと注射用水400mLを滅菌した器具を使用し、高圧蒸気滅菌する調整法が広く用いられている。その後、冷所保存し、必要に応じてセレン注射剤を輸液製剤に注入して患者に点滴を行うことになる。

この事件では、亜セレン酸「66.6mg」を「66.6g」と秤量ミスした可能性も懸念されている。京大病院では、セレン製剤を2名の薬剤師で調整していたとのことであったが、ダブルチエックを行ったにもかかわらず、このような事故が発生したことは残念でならない。

セレンの生体内での働き

セレンはミネラルの一種で、体内を維持するための必須微量元素のひとつである。生体内で細胞膜に含まれる不飽和脂肪酸が酸化されて過酸化脂質に変化して動脈硬化を誘発するが、セレンはこのような生体内の酸化を抑制する働きのある「グルタチオンペルオキシダーゼ」を活性化させる中心的な役割を果たす。

また最近では、生体の老化を防止し、免疫機能を高めることにより、がんの予防効果も存在するため、がんの標準療法と併用してセレン製剤の治療的役割が注目されている。

セレンは海藻類、魚介類、肉類、卵黄に多く含まれている。これらの食物を十分摂取していれば、セレンについての過不足は起こらない。

 

セレンの欠乏症と過剰症について

セレン欠乏症になると、筋肉痛、不整脈、爪の変色、貧血、心筋障害、動脈硬化、甲状腺の機能低下などを誘発される。経口摂取ができず、高カロリー輸液のみで栄養を補っている患者では、特に欠乏しやすい。京大病院の症例でも、セレンが欠乏し、上記の如き症状を呈したため、セレン注射剤が含まれた点滴を行ったものと思われる。

セレン過剰症では、まず脱毛、嘔気、嘔吐、下痢、脱力感を訴えることが多い。さらに病状が増悪すると、吐血、急性腎不全、肝機能障害、神経障害を引き起こすことになる。京大病院における女性患者の背中の痛みは、心筋障害が誘発されたことによるものと推察される。

また最近のサプリメント、特に外国からの輸入品では、含有成分量は不確かな製品も見受けられるため、過量服用しないよう心がけることが必要である。

医療スタッフの判断ミスが重大な患者への悪影響を及ぼす

急性薬物中毒は、向精神薬や化学薬品などの大量服用により引き起こされ、個々の患者およびそれにかかわる医療スタッフ、特に治療する医師がともに密接に接することにより、未然に対策を講じることも可能である。

しかし、院内製剤の調整に関する医療ミスは、患者サイドでは防ぎようがないのが現状である。医療施設での製剤の調整工程やスタッフの厳重な教育・管理が必要であろう。

出典:HEALTH PRESS

医療ミスで肺機能低下「切る必要ない所を切った」京大病院

京都大病院(京都市左京区)で平成21年7月、胸腺の摘出手術を受けた際、誤って神経を切断されて左肺の半分が機能しなくなったとして、大津市の自営業の男性(67)が26日、同病院に約1730万円の損害賠償を求める訴訟を京都地裁に起こした。

訴状などによると、男性は同年6月、同病院呼吸器外科で検査を受け、胸腺腫と診断された。7月に胸腺摘出手術を受け、同科の男性医師が執刀したが、胸腺を切除する際に左横隔神経を切断。病院側は8月、男性に説明を行い、執刀医は「切る必要がないところを切った」としたという。

男性は9月末に退院したが、神経が切断されたことで左横隔膜が押し上げられて左肺が圧迫され、左肺の呼吸機能は手術前の半分となったといい、「執刀医らが神経の確認作業などを怠ったため機能が低下し、多少の歩行や重たい荷物を持つと息切れし、階段の上り下りも困難になるなど、日常生活に不便が生じた」と主張している。

原告側によると、京大病院側はその後、「執刀医らの確認作業が不十分で、神経に対する注意が低くなっていた」などとする内容の報告をとりまとめたという。

提訴について京大病院は「訴状が届いていないためコメントできない」としている。

出典:産経WEST

京都大学医学部付属病院で機器の取り違え医療ミス

2011年11月、京都大学医学部付属病院で手術を受けた50歳代の男性患者が、透析用の機器の取り違えで死亡する医療ミスがありました。

男性は元々、腎不全を患っていたため透析治療をあわせて受けており、機器を交換した約3時間後に容体が急変しそのまま亡くなりました。原因としては、人工透析用ではない別の機器が装着されていた事によるものでした。機器は形が似ている上、隣り合わせに保管されており、交換した看護師や医師ら3人は機器が大きいなどの違和感があったにもかかわらず確認を怠ったといいます。

その後の調査委員会では、大きく下記の問題があることが報告されました。

  1. 医師・看護師の教育不足
  2. 類似の機器が近くに置いてあるなど、物品管理体制の不備
  3. チェック体制が整っていない
  4. 過去の医療事故の教訓が生かされていない点

報告書によると、形が似ている血液濾過器(人工透析機器)と血漿分離器(誤って装着した機器)が棚に並び、内容が一見して分かるラベルもなかったそうです。看護師と当直の医師2人は、器具の扱いの知識や経験が不足し、3人の間で確認作業も一切ありませんでした。しかも、ひどいことに、夜間や休日は医師31人中、確実に扱えたのは7人だけだったとのことです。

また、過去に、京大病院では精製水とエタノールを取り違え患者が死亡する事故が発生しており、その教訓が病院体制の改善に活かされておらず、同様の事故が起こっているのは極めて深刻な問題だとしている。

今回の医療過誤は、教訓を活かせば簡単に防げたと思います。少し考えるだけでも、ラベルで分かるように管理する・医師と看護師によるダブル/トリプルチェックを行うなどしていれば救えた命なだけに悔しさが残ります。今後も改善が見られないのであれば、こんな病院は無くなれば良いと思います。