北里研究所病院―慶応ラガーマンの足部壊死

北里研究所北里大学病院グループは都内近郊に広大な土地を持ち、その上に病院を建てて優雅な病院経営を行っている。しかし、優雅過ぎて中で働く医局部長から研修医まで、少し、医師としての自覚がおろそかになっているのか、北里研究所北里大学病院は医療事故件数が、この10年近く、他の大学病院=特定機能病院を遥かにしのぐダントツの多さだそうだ。

近々では港区白金の北里研究所病院整形外科において、慶応大学ラグビー部のエースがヒザの怪我で入院手術をし、足の鼠蹊部(そけいぶ=大腿部の内側にある下腹部の中央部分)が駆血を強くされ過ぎて壊死してしまったにも関わらず、整形外科部長・院長ともに患者(慶応ラガーマン)側の責任論を立てて、事件を闇に葬ったそうである。

港区白金の北里研究所病院では、この事故以外にも多くの医療事故が隠蔽されているそうだ。しかし、北里研究所グループのお膝もとの警視庁では事故がしっかり隠蔽されるが、神奈川では北里神奈川の統括者の管理が悪いのか医療事故が明るみになることが多々ある。

相模原北里大学病院救命救急センター

平成15年12月15日、5日前から風邪の症状でかかりつけ医師の診察を受けていた男の子が、胸の苦しさを訴えた。かかりつけの医師は「心筋炎などの疑いがある」と診断し、自分のとこでは危険だと判断し、北里大学病院救命救急センターに搬送した。

北里大学病院救命救急センターは、当日、検査で心臓の異常を認めながら「風邪、胃腸炎」などと診断し翌日に追加の検査をすると説明し帰宅させた。

男児は約1時間後に心停止となり、22日に死亡した。

北里大学病院救命救急センターが、急性心筋炎の疑いを知りながら十分な検査をせずに帰宅させたため、男の子がが死亡した、入院による経過観察をすれば長男の容体急変にも対応できたとして、両親は北里大学病院救命救急センターを運営する北里学園に約8100万円の損害賠償を求める訴えを東京地裁に起こしていた。

また平成16年4月6日にも、神奈川県相模原市の北里大学病院で、当時の研修医だった27歳の男性を神奈川県警相模原署業務上過失致死の疑いで書類送検した。北里大学病院の研修医は、6日の午後11時頃、不整脈の出ていた女性患者に対し、担当医から指示された分量の不整脈治療剤「リドカイン」を誤って「約20倍」も投与し、中毒死させたのだった。

特定機能病院中医療事故数トップ

20倍もの過剰投与で女性患者は中毒死。医師・看護師なら間違えるはずのない、「倍」ではなく「20倍」という殺人にも等しい医療事件を起こしたにも拘らず、この北里大学病院研修医は書類送検のみ医療過誤に関して、書類送検だけで終わるということは事実上の無罪宣告に等しいらしい。

過去に行われた北里研究所北里大学病院などを含む厚労省の「特定機能病院」の医療事故調査によると、医療事故件数がもっとも多かったのが北里研究所北里大学病院だったそうだ。2位の順天堂大学の事故数に倍以上の差をつけて。上記の事故などは数千件の北里大学病院事故案件の「3件/X000件」というわけで、ほんの一例

ところで莫大な富を持つ北里研究所グループには不似合いな、ちょっとセコイ話。北里研究所病院の中でも形成外科は医療事故が起きたときに慰謝料やら訴訟費用がかさむらしい。なので北里研究所病院の院長が担当医師らに「訴訟費用などは手術した医者が払え」と言い、それを聞いた医師はバカバカしくなって辞めてしまっているそう。

病院グループだからといって、左うちわで安穏としてられない現代、リスクマネージメントは組織として必要ではあるが、北里研究所グループのように果てしなく儲かっており、なおかつ医療事故がダントツに多い組織の幹部の意識がこんなセコイ感覚でいいものか?医療事故の慰謝料を自己負担なんて言ったら、まともな医師は当然(アホらしくて)やめて、ズルい医師はますます医療事故を隠蔽する策に走るだろう。こんな幹部(院長)が、今、病院担当常任理事として北里研究所グループの一翼を担っているというのだから、医は仁術というコトバは遠い昔の死語のようなものなのかも知れない。

出典:敬天新聞