新潟県厚生連が運営する糸魚川総合病院(糸魚川市)で内視鏡検査を受けた糸魚川市内の男性(当時71)が4日後に死亡したのは、病院側の過失によるものだとして、男性の遺族が損害賠償と慰謝料を求める訴訟を新潟地裁に起こし、同病院が3800万円を支払うことで20日に和解が成立した。関係者への取材で分かった。

県厚生連は朝日新聞の取材に「相手方もあり、何もコメントできない」とし、男性が死亡した経緯などの説明を一切しなかった。原告側は「3800万円を支払うということは、病院が医療過誤を認めたということだ」と話している。

訴状などによると、男性は膵(すい)臓がんの疑いがあり、2015年10月に同病院で「ERCP」と呼ばれる内視鏡検査を受けた。しかし、検査による合併症ですい炎を発症し、4日後に死亡した。

男性の遺族は昨年、同病院に対し、損害賠償と慰謝料計約5700万円の支払いを求めて提訴。男性が検査の1時間後に腹痛を訴えていたのに、担当医が適切な措置をしなかったとし、「医師の過失と患者の死亡に因果関係がある」と主張していた。

出典:朝日新聞デジタル