兵庫県立こども病院

兵庫県立こども病院が医療ミス 気管手術の男児が死亡

兵庫県立こども病院(神戸市中央区)は27日、心臓と呼吸器に先天的な疾患のある3歳未満の男児が、肺に空気を送るチューブの入れ替え手術を受けた際のミスで、17日に死亡したと発表した。チューブを誤って片方の肺のみに挿入したため、肺機能が低下したことが原因とみられる。同病院の中尾秀人院長らが会見し、謝罪した。

 同病院によると死亡した男児は、いずれも先天性の気管が狭くなる「狭窄症」と心疾患を患っており、昨年2月に治療のため同病院に入院。心臓の手術に備えるため、気管を切開して呼吸チューブを挿入し、同年4月に一度退院していた。

 問題があった手術は今年2月3日、50代の小児外科医と麻酔医ら4人が中心となって実施した。気管から挿入するチューブを、鼻から入れるものに変更する内容だった。チューブは本来、左右の肺の中間に挿入するが、誤って左肺のみに差し込んでしまったため、右肺の機能が弱まり、血圧と血中の酸素濃度が低下したという。

 医師らは手術中にこの事態を把握したが、対応が間に合わなかったという。男児は手術7日後の2月10日に脳死状態となり、3月17日に死亡した。

 中尾院長は医療ミスを認めた上で「死亡した患者と家族に深くおわびする」と謝罪。外部委員を含む医療事故調査委員会を設置し、原因を究明するとしている。

出典:神戸新聞NEXT

点滴漏れに気づかず…乳児の足の甲が壊死 兵庫県立こども病院

神戸市の県立こども病院に入院していた生後6ヵ月の男の子が、点滴を受けていた際、何らかの原因で点滴液が漏れ、足の甲の大部分が壊死していたことが分かりました。

兵庫県によると、今年4月、県立こども病院に入院していた当時生後6ヵ月の男の子が手術を受けたあと、病室で栄養や水分をとるための点滴を始めました。

当初、点滴の針は男の子の手に刺していましたが、抜ける恐れがあったため、病院はその後、右足の甲に刺し換えました。

それから約9時間後に、看護士が針を刺した部分のガーゼの張替えなどを行っていましたが、約5時間後、別の看護師が確認したところ足の甲の「ただれ」に気づき、点滴漏れが発覚したということです。

男の子は、足の甲の大部分が壊死し、皮膚移植を受けましたが、経過は良好だということです。

【兵庫県の担当者】

「マニュアルの中にあるチェックを、1時間おきには看護師が患者のもとへ行き、実際に行っていたが、針を刺している部分の観察が不十分で、いつから漏れていたのかが確認できていない」

点滴漏れの原因はわかっていないということですが、早期発見できなかったことから、県は医療ミスと判断し、今後、再発防止に努めるとしています。

出典:FNN PRIME

県立こども病院投薬ミス 専門医「非公表は問題」

兵庫県立こども病院(神戸市須磨区)で9日判明した心臓病の乳児に対する投薬ミスは、家族の申し出により非公表となっていた。県内では、家族の同意がなくても医療事故を公表する公立病院があるが、県は2014年に基準を変更した。専門医や別の患者家族からは「家族の意向を理由に医療過誤を公表しないのは問題」との声が上がっている。

県立病院では医療過誤で障害が残ったり、死亡したりした事故を原則公表している。だが「個人情報が特定され、精神的な苦痛を受けた」などと抗議を受ける事案が複数発生したため、14年から、医療過誤の事案でも患者や家族から非公表とするよう文書で申し出があれば公表しないよう基準を変えた。

県によると、今回以外にも別の家族から非公表を求める申し出があった。県の担当者は「情報公開という点では後退したととらえられる可能性はある」とし、公表基準を再度議論したいという。

医療事故の公表基準は公立病院でもさまざまで、神戸市立医療センター中央市民病院などを運営する神戸市民病院機構では、事前に患者・家族の同意を得るよう努める一方、同意が得られない場合も患者のプライバシーに配慮しつつ、原則公表している。

子どもの心臓病に詳しい県内のある専門医は「県立病院は公的な存在で県民には知る権利がある。県や病院という身内が公表の有無を判断するのは問題。医師が誤って薬を投与しただけで十分公表に値する」と指摘。子どもが心臓病患者という女性は「こども病院は県内では子どもの心臓病患者にとって最後のとりで。患者や家族の特定につながらないようにしながら、起きた事故はオープンにすべきだ」と話す。

出典:神戸新聞