群馬大学医学部附属病院

群大病院また医療ミス 50代男性、右手足ほとんど動かず

群馬大病院は8日、県内の50代男性が、同病院整形外科で頸椎(けいつい)の手術を受けた後、神経障害が生じる医療事故があったと発表した。

同病院によると、男性には再手術が行われたが、現在も右手足はほとんど動かず、人工呼吸管理も必要な状態で、症状改善は1年ほど経過をみる必要があるという。

男性は変形した首の骨が神経を圧迫、筋力低下や歩行困難になる頚髄症で、昨年11月、同病院で金属製の棒状器具を使い骨を固定する手術を受けたが、その場所がずれて脊髄の神経を圧迫、神経障害が生じた。

同病院は今年3月、外部委員2人の協力で事故調査委員会を実施。手術では、X線の透視以外にもモニタリングの機能を使って観察すべきだったことや、体形など患者個別のリスクにかかる部分の説明が不十分だったことなどを挙げた。

田村遵一病院長は「新たな医療事故が起こり、非常に申し訳ない。患者や家族に対し、誠実に対応していきたい」と謝罪した。

出典:産経ニュース

群馬大附属病院 手術後死亡の13人に治療上の問題

群馬大学附属病院で、肝臓やすい臓の手術を受けたあと、退院できないまま死亡するなどした患者50人を調べたところ、少なくとも13人に治療上の問題が見つかり、死亡原因になった可能性があるとする内容の報告書を、日本外科学会がまとめました。専門家は「医療過誤ではないのか、病院は詳しく調べて遺族にきちんと説明する責任がある」と話しています。
この報告書は、群馬大学附属病院で腹くう鏡の手術を受けた患者8人が相次いで死亡し、大きな問題になったことを受け、日本外科学会が大学の調査委員会の依頼を受けてまとめたものです。
学会では、腹くう鏡のケースも含め、去年3月までの8年間に病院の2つの外科で肝臓がんやすい臓がんなどの手術を受け、退院できないまま死亡したり、術後30日以内に死亡したりした患者50人について詳しく調べました。その結果、少なくとも13人について、治療上の問題があり、死亡原因になった可能性があるとする内容の報告書をまとめました。

このうち、肝臓がんの60代の男性のケースでは、手術中に大量出血したほか、手術直後から出血が起きていたのに、血を止めるための再手術の判断が遅れたと考えられると指摘しています。男性の死因は大量出血による肝不全でしたが、最初の手術中、何らかのトラブルがあって大量出血が起きたと思われるものの、手術記録には記載がなく、検証もできなかったとしています。

また、すい臓がんの50代の女性のケースでは、がんが広がりすぎてリスクが極めて高いと考えられたのに手術が行われ、多臓器不全を起こして死亡したと指摘したうえで、手術時間が28時間を超え、出血量も17リットル以上という明らかに異常な事態であったにもかかわらず、何が起きたのか詳しい記録は残っていなかったとしています。

さらに、70代の女性のケースでは、手術後の対応が不十分なまま退院させた可能性があり、容体が悪化して救急外来を訪れたときも、入院が必要と考えられたのに、治療後帰宅させていると指摘しています。女性は翌朝、意識不明のまま救急搬送されましたが、およそ1時間後に死亡していて、こうした対応が死亡につながったとみられるとしました。

一方、今回問題が指摘された13人の患者以外にも、詳しい記録がないなどのために、問題があるかどうか分からなかったケースも複数あったということです。

群馬大学附属病院には、医療安全上の課題があるとみられるケースが起きた場合に、医師らが報告し改善策を検討するシステムがありますが、13例のうち報告が行われたのは2例でした。病院による詳しい事故調査が行われたのは1例だけで、今回学会がまとめた死亡までの詳しい経過について、遺族はいまだに知らないままです。

東京医科歯科大学の名誉教授で、肝臓やすい臓の手術に詳しい有井滋樹浜松労災病院院長は「出血量が標準に比べ非常に多いとか、手術時間が非常に長いというケースがあるだけでなく、手術後の対応も問題視されうるようなケースもある。医療過誤ではないのか、病院は詳しく調べて遺族にきちんと説明する責任があると思う」と話しています。
遺族「真実を知りたい」
埼玉県内に住む会社員の男性の父親は、7年前、65歳だったときに群馬大学附属病院で肝臓がんの手術を受けました。
手術前には、3週間ほどで退院できると言われていましたが、術後、容体が悪化。退院できないまま、手術後45日で亡くなりました。
今回の報告書の中で、父親は抗生物質が効きにくいMRSAという細菌に感染したことなどが死亡につながったとみられるとされ、不適切な抗菌薬の使用があったと指摘されていましたが、病院からまだ説明はありません。
男性は「孫の成長を見たいので、健康な体になって少しでも長生きしようということもあって、受けた手術でした。遺族の思いは、ほかの人にしてほしくない。こうなった経緯も含めて、本当の真実を知りたい」と話していました。
群馬大附属病院「報告書受け取りしだい説明したい」
群馬大学附属病院は「大学の調査委員会も調査を進めており、その報告書を受け取りしだい、日本外科学会の調査についても、それぞれの遺族にきちんと説明したい」とコメントしています。

出典:NHK NEWS WEB

群大病院が遺族側に回答…調査結果出た後「説明の場設ける」

群馬大学病院の旧第二外科で手術後に患者の死亡が相次いだ問題で、遺族側弁護団は13日、同病院などに送付していた説明会開催を求める通知書に対し、病院から「調査委員会の結果を受けて説明の場を設けたい」とする回答が文書で届いたことを明らかにした。

弁護団は先月、病院長と第二外科の責任者だった教授、執刀医あてに通知書を送付。通知書は「遺族に対し説明義務を果たさないのは違法」と指摘し直接説明を求める内容で、同日を回答期限としていた。執刀医と教授からは、同日までに回答がなかった。

出典:yomiDr.

群大術後死、外科学会が51例検証へ…問題医師以外の執刀も

群馬大学病院(前橋市)で肝臓の手術を受けた患者が相次ぎ死亡した問題で、第三者による調査委員会(委員長=上田裕一・奈良県総合医療センター総長)は29日、2007~14年度に行われた消化器外科手術後に死亡した患者51人を対象に、診療に問題がないか詳細な医学的検証を行うと発表した。

この中には、既に明らかになっていた問題の男性医師による30人も含まれる。検証は日本外科学会に委託されており、来春にも結果をまとめる予定だ。

この日、京都市内で記者会見した上田委員長によると、同学会は、問題の男性医師が旧第二外科に在職した07年4月から15年3月まで8年間の調査を実施。難易度の低い手術も含め、旧第二外科と旧第一外科で行われた消化器外科の全手術(約6700例)から、入院中に死亡した64人(旧第一26人、旧第二38人)の病名や手術方法といった基礎データを検討した。64人の手術は、問題の男性医師を含む15人が執刀した。

検討の結果、51人に詳細な調査が必要と判断。今後、遺族の同意を得てカルテや検査画像を精査し、手術や術後管理など診療に問題がないか調べる。51人のうち30人は、問題の男性医師が執刀した肝胆膵かんたんすい(肝臓、胆道、膵臓)外科手術の患者(腹腔ふくくう鏡8人、開腹22人)だった。

また、上田委員長は、今月20日に男性医師と上司だった教授に聞き取りを行い、教授が、患者の死亡が相次いでいたことを認識していたことを明らかにした。それでも手術を継続した理由については、上田委員長は明言を避けた。

出典:yomiDr.

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「手術しなければ延命」…群大問題、遺族側会見

群馬大学病院(前橋市)で肝臓の手術後に患者が相次いで死亡した問題で、遺族とその弁護団(団長・安東宏三弁護士)が19日、群馬県内で記者会見し、独自調査した開腹手術5例の全てについて「手術しなければ延命できた」などとする中間報告書を公表した。

遺族らは執刀医らに直接説明するよう改めて求め、十分な回答がなければ法的措置も辞さないと表明した。

独自調査では、いずれも開腹で、肝臓の手術後に死亡した4人と、膵臓(すいぞう)の手術後に死亡した1人について、消化器外科の専門医に検証を依頼。カルテや画像を解析し、術前の説明、手術や術後の経過について検討した。

専門医は「手術をしなければその時点で死ぬことはなく、少なくとも数か月は生きられた」「術前に必ず行うべき検査をしていない」などと指摘。手術でがんを取り切れない場合も中止せず、強引に進めた例もあり、患者の利益よりも難しい手術への挑戦を優先した可能性があることも問題視された。

出典:読売新聞

国立大評価委員会が群馬大に「最低評価」

国立大学法人評価委員会は2015年11月6日、平成26年度の国立大など計90法人の業務実施状況に関する評価結果を取りまとめました。
その中で、群馬大は相次ぐ医療事故を起したとして、最低評価にあたる「重大な改善事項」を指摘されました。その他のほとんどの大学法人はおおむね順調と認められているとのことです。

群馬大が最低評価となった主な理由は以下の2つです。

  • 複数回の医療事故を引き起こした安全管理体制に欠陥がある。
  • 中期目標「医療福祉の向上」などの取り組みが不十分。

2007~2014年の群馬医大の医療ミスが判明しており、それについて医療安全管理体制の重大な欠陥が認められるとされた。また、「地域医療を担う中核として医療福祉を向上させる」という中期目標に十分に取り組んでいるとは認められないとの判断もされている。

過去の医療事故ならびに、その改善が見られないという姿勢が公に評価される形となっています。

群馬医大の連続医療ミス問題で医療事故調査委員会が初会合

群馬大学医学部附属病院で肝臓の切除手術後に患者の死亡が相次いだ問題で、外部の有識者だけで構成する医療事故調査委員会(委員長・上田裕一奈良県総合医療センター総長)が2015年8月30日、東京都内で初めて開かれました。

群馬医大病院は同3月に腹腔鏡手術の報告書を公表しましたが、調査委員12人のうち5人を占める外部委員がほとんど出席しないなどの不備が指摘され、一から再検証することとなりました。

この日の委員会では、2007~14年に第2外科で肝臓や胆道、膵臓の手術後約90日以内に死亡した30人の症例などが病院側から提示されました。

これらはいずれも同じ執刀医である須納瀬 豊(すのせ・ゆたか)によるものと言います。

委員会は月に1、2回開かれ、看護師や遺族ら関係者から幅広く意見を聴き、再発防止策などを検討することになります。

30人もの命を奪った大量殺人鬼とそれを見過ごした群馬医大病院について、本サイトでは今後も継続的に経過を見ていきます。