兵庫県災害医療センター

両顎骨折患者に誤って「おかゆ」 骨にずれ、再手術必要に

兵庫県災害医療センターは26日、上下の顎を骨折した40代の男性患者に流動食を提供するはずが、誤って2日間、おかゆを提供していたと発表した。男性患者が骨折した顎で飲食したため、固定していた骨にずれが生じ、再手術が必要になったという。

同センターによると、患者は7月25日にミニバイクでトラックに追突し、救急搬送された。両顎を含め、顔面に多発骨折があったことから8月10日に骨を正常な位置に戻して固定する手術を受けた。

執刀した30代の女性医師は、担当医の20代男性医師に流動食を指示したが、男性医師が食事を頼む際に「全粥(ぜんがゆ)食」と誤って記載した。患者が完食したこともあり、看護師らはミスに気付かなかった。後日の検査で骨のずれが見つかり、食事の提供ミスが発覚した。

同センターは「顔面骨折後の食事は基本的に流動食から開始するということが、院内で共通認識としてなかった。今後は食事内容を担当医と上級医でダブルチェックしていく」としている。(前川茂之)

出典:神戸新聞NEXT

医療ミスで植物状態に-日赤に1億2千万円支払い命令

兵庫県災害医療センター(神戸市中央区)で手術を受け植物状態になったとして、女性(42)と父親が、病院を設置した県と、施術した男性医師が所属していた日本赤十字社(日赤)に計約3億9千万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が29日、神戸地裁であった。和久田斉裁判長は手術と後遺症の因果関係を認め、日赤に約1億2千万円の支払いを命じた。県に対する請求は、「診療契約は日赤との間で締結されている」として棄却した。

判決によると、女性は平成20年3月、急性薬物中毒で同センターに搬送され、気道確保のためにのどにチューブを入れる手術を受けた。その後、チューブを取り除いたところ、容体が悪化。再びチューブを入れようとしたが担当した医師が失敗するなど手術に時間がかかったため、低酸素脳症となり、植物状態になった。

和久田裁判長は「チューブの再挿入に成功しなかった時点で、精通した別の医師が施術できるよう必要な準備をする注意義務を尽くさなかった」とした。

出典:産経WEST