岐阜市民病院(岐阜市鹿島町)で昨年12月、副腎皮質ホルモンを大量に投与する「ステロイドパルス療法」を受けていた市内に住む70代の女性患者が合併症で死亡していたことが30日、分かった。同療法の副作用の一つに血糖値の上昇があるが、同日記者会見した冨田栄一院長は「血糖コントロールが不適切だった」と医療ミスを認める一方、損害賠償金として2033万円を支払うことで遺族側と和解したことを明らかにした。

9月2日開会の市議会に、賠償金を計上した補正予算案を提出する。

病院側によると、女性患者は2015年11月下旬、意識障害のため緊急入院。同12月1日からステロイドパルス療法を始めた。内科の男性主治医は女性患者が糖尿病だったことを把握していたが、1回目の治療を終えた段階で、意識障害に改善傾向が認められたため、その後、血糖値の測定をしないまま治療を続行。ところが2回目の治療を終えた翌日の12月11日、容体が急変し、血糖値が高くなる高浸透圧高血糖症候群を合併して死亡した。【石塚誠】

出典:毎日新聞