市立甲府病院

鼻の手術で医療ミス 今年4件目、賠償金1300万円支払う

甲府市は28日、市立甲府病院で2014年、患者の血管を傷付ける医療ミスがあり、賠償金約1300万円を支払ったと発表した。同病院で医療ミスが明らかになるのは今年4件目。樋口雄一市長は定例会見で「ミスは1件でもあってはいけない。病院側には再発防止を徹底するよう指導した」と謝罪した。

市によると、患者は中央市の40代男性。副鼻腔(びくう)炎の手術で鼻から内視鏡を入れる際、右目付近の血管を誤って傷つけた。手術後、男性は視野が狭くなったり、視力が低下したりする症状が残り、市はミスを認めて賠償金として6月までに約1300万円を支払ったという。

同病院では今年だけで3件の医療ミスが発覚。2月には鼓膜の手術の際に不適切な消毒液を使って、甲斐市の70代男性と中央市の50代女性の難聴を悪化させ、計850万円の示談金を支払っていたことが明らかになった。

3月には甲府市の50代女性の手首の腫瘍を摘出する手術をした際、神経を損傷させるミスをして、70万円の示談金を支払っている。市は「心からおわびしたい」としている。【滝川大貴】

出典:毎日新聞

市立甲府病院で医療ミス、2人と和解

甲府市立甲府病院で副作用の恐れがある消毒液「ヒビテン」を耳の手術に使い、難聴が悪化する医療ミスが2件あったことが20日、分かった。市は県内の70代男性と50代女性の患者と和解し、今月10日に和解金計850万円を支払った。

厚生労働省によると、ヒビテンは1985年までに有効性より副作用の危険性が高いと指摘され、薬の添付文書で聴神経などへの直接使用について「難聴や神経障害を来すことがある」として「禁忌」と明示している。

甲府病院によると、男性は2015年6月、女性は16年2月に鼓膜の穴をふさぐ手術でヒビテンが使われ、その後、2人とも担当医師に「経過が良くない」と相談していたという。

病院側は当初、男性に「感染性の難聴ではないか」と説明していたが、女性からの相談を受けて手術過程を検証した結果、16年3月にヒビテンの使用が原因である可能性が高いと結論づけた。11~16年、当時10~70代の計5人の耳の手術でヒビテンを使ったが、カルテなどを確認したところ、2人のほかに悪化した患者はいないという。

病院はミス発覚後、ヒビテンの使用をやめ、手術に使う薬品類の容器に禁忌の表示をするなど対策を講じたという。

出典:朝日新聞DESITAL