県立がんセンターで医療事故 患者体内に医療器具が留置

 兵庫県病院局は27日、県立がんセンター(明石市)で、血栓(血の塊)を捕捉する医療器具が、子宮体がん患者の40代女性から回収できなくなる事故があったと発表した。別の病院で開胸手術をして取り除いた。その後の経過に問題はないという。

 医療器具は金属製のフィルターで、カテーテル(細い管)を使って静脈内に留置する。女性はがん手術前の昨年末、肺の血栓を防ぐためフィルターを挿入。今年1月にワイヤで回収しようとしたが、医師の作業ミスでワイヤがフィルターから外れた。長期間留置すると新たな血栓ができる恐れがあるという。(佐藤健介)

出典:神戸新聞NEXT

点滴漏れに気づかず…乳児の足の甲が壊死 兵庫県立こども病院

神戸市の県立こども病院に入院していた生後6ヵ月の男の子が、点滴を受けていた際、何らかの原因で点滴液が漏れ、足の甲の大部分が壊死していたことが分かりました。

兵庫県によると、今年4月、県立こども病院に入院していた当時生後6ヵ月の男の子が手術を受けたあと、病室で栄養や水分をとるための点滴を始めました。

当初、点滴の針は男の子の手に刺していましたが、抜ける恐れがあったため、病院はその後、右足の甲に刺し換えました。

それから約9時間後に、看護士が針を刺した部分のガーゼの張替えなどを行っていましたが、約5時間後、別の看護師が確認したところ足の甲の「ただれ」に気づき、点滴漏れが発覚したということです。

男の子は、足の甲の大部分が壊死し、皮膚移植を受けましたが、経過は良好だということです。

【兵庫県の担当者】

「マニュアルの中にあるチェックを、1時間おきには看護師が患者のもとへ行き、実際に行っていたが、針を刺している部分の観察が不十分で、いつから漏れていたのかが確認できていない」

点滴漏れの原因はわかっていないということですが、早期発見できなかったことから、県は医療ミスと判断し、今後、再発防止に努めるとしています。

出典:FNN PRIME

感染症悪化で足切断 杵築中央病院、医療ミス認める

 大分県杵築市の杵築中央病院が昨年、人工透析治療を受けていた女性(43)が脚の痛みを訴えた際に適切な処置をしなかったため、脚を切断せざるを得なくなる医療ミスがあったことが分かった。

 病院側によると、女性は糖尿病による慢性腎不全人工透析治療のため通院していた。昨年9月、左足の足裏付近に痛みを訴え、治療を続けたが症状が悪化。翌月、転院先の別府医療センター(同県別府市)で細菌による感染症の進行が分かり、手術で左脚の太ももから下を切断した。

 県医師会の医事紛争委員会は「早めに高度医療機関に転院させ、より有効な抗生剤を調べる検査を受けさせていれば、切除には至らなかった可能性がある」と指摘。病院側もミスを認め謝罪した。

 ただ、補償交渉では折り合いがつかず、女性は病院を運営する医療法人恵友会に慰謝料や後遺症による逸失利益介護費用など計約7640万円の損害賠償を求め、今月8日付で大分地裁に提訴。病院側は「裁判所の決定に従いたい」としている。(中沢絢乃)

出典:朝日新聞DIGITAL

むつ総合病院で医療ミス2件、和解 癌見落とし等

 青森県むつ市にあるむつ総合病院を運営する一部事務組合下北医療センター(管理者・宮下宗一郎市長)は、同病院で患者が死亡した2件を医療ミスと認め、遺族側にそれぞれ損害賠償金を支払うことで今年1月に和解したと20日に組合議会に対し報告した。

 2014年7月に当時67歳の男性がバイク運転中に自損事故を起こして救急搬送されたが、8日後に大動脈破裂で死亡した。これについて男性の妹が、医師が大動脈解離の所見を見落とし適切な治療を受けられずに死亡したとして、医療センターに損害賠償などを求めて青森地裁に提訴した。地裁は請求を棄却したが、控訴審仙台高裁は昨年12月に和解を勧告。医療センターが妹に損害賠償金3千万円を支払うことで和解した。

 17年6月に末期のS状結腸がんと診断され10カ月後に死亡した50代男性については、同年1月のCT検査でがんの所見を見落としていたと遺族が申し立てていた。医療センターは今年1月、男性の遺族3人に損害賠償金計2800万円を支払い和解した。

 取材に対しむつ総合病院側は「今後はさらなる医療ミスや事故を招かないよう対応する」と答えた。(板倉大地、伊東大治)

出典:朝日新聞DIGITAL

2019年5月末までに1380件の医療事故、日本医療安全調査機構

 今年(2019年)5月に医療事故調査・支援センター(以下、センター)に報告された医療事故は38件。2015年10月の医療事故調査制度発足から累計1380件の医療事故が報告され、うち74.9%の1034件で院内調査が完了している。制度の課題としては「一般国民側の正しい理解」である―。

 日本で唯一のセンターである「日本医療安全調査機構」は6月7日に「医療事故調査制度の現況報告(5月)」を公表し、こうした状況を明らかにしました(機構のサイトはこちら)。

2019年5月の医療事故報告件数、整形外科・循環器内科で各5件

 2015年10月から、すべての医療機関等(病院、診療所、助産所)に、院長などの管理者が予期しなかった「医療に起因し、または起因すると疑われる死亡・死産」のすべてをセンターに報告する義務が課せられています【医療事故調査制度】。事故の原因・背景を調査・分析して「再発防止策」を構築し、医療現場に広く共有していくことを目的とする制度です(関連記事はこちら)。

すでにセンターでは重大事故について詳細を分析した結果を提言としてまとめ、順次公表しています(2019年6月までに9つの提言)。
(1)中心静脈穿刺合併症に係る死亡の分析―第1報―
(2)急性肺血栓塞栓症に係る死亡の分析
(3)注射剤によるアナフィラキシーに係る死亡事例の分析
(4)気管切開術後早期の気管切開チューブ逸脱・迷入に係る死亡事例の分析
(5)腹腔鏡下胆嚢摘出術に係る死亡事例の分析
(6)栄養剤投与目的に行われた胃管挿入に係る死亡事例の分析
(7)一般・療養病棟における非侵襲的陽圧換気(NPPV)及び気管切開下陽圧換気(TPPV)に係る死亡事例の分析
(8)救急医療における画像診断に係る死亡事例の分析
(9)入院中に発生した転倒・転落による頭部外傷に係る死亡事例の分析

 
 医療事故調査制度の概要は、次のように整理できます(関連記事はこちら)。

▼医療事故の発生を確認した管理者(院長など)は、速やかにセンターへ事故発生の旨を報告する

▼事故が発生した医療機関が自ら事故原因を調査【院内調査】し、調査結果をセンターに報告する

▼当該医療機関は、調査結果に基づいて事故の内容や原因を遺族に説明する(調査結果報告書の提示までは義務付けられていない)

▼センターで事故事例を集積、分析し具体的な再発防止策などを練る

医療事故調査制度の概要、「院内調査」を第一に行い、「医療事故調査・支援センター」がそれを補完する格好で調査が行われ、再発防止策に結びつける
医療事故調査制度の概要、「院内調査」を第一に行い、「医療事故調査・支援センター」がそれを補完する格好で調査が行われ、再発防止策に結びつける

 我が国唯一のセンターに指定されている日本医療安全調査機構は、毎月、医療事故報告の状況を迅速に公表しています(前月の状況はこちら、前々月の状況はこちら)。今年(2019年)5月には、新たに38件の医療事故が報告され、制度発足からの累計報告件数は1380件となりました。

 今年(2019年)5月に新たに報告された事故38件の内訳は、病院から37件、診療所から1件でした。制度発足からの累計では、病院から1303件(事故全体の94.4%)、診療所から77件(同5.6%)となっています。

医療事故の現況(19年5月)1 190607

 今年(2019年)5月に新たに報告された事故を診療科別に見ると、▼整形外科:5件▼循環器内科:5件▼外科:4件▼内科:4件―などで多くなっています。制度発足からの累計では、▼外科231件(同16.7%)▼内科170件(同12.3%)▼消化器科114件(同8.3%)▼整形外科112件(同8.1%)―などという状況です。

 

センターへの相談件数は累計7099件、国民の正しい理解が依然として課題

 センターへの報告が義務付けられている医療事故は、医療機関内で生じたすべての死亡・死産事例ではありません。前述したように、死亡・死産事例のうち「院長などの管理者が▼予期せず▼医療に起因し、または起因すると疑われる—もの」に限定されます。例えば交通事故に巻き込まれ瀕死の状態で救急搬送された患者が、適切な治療の甲斐なく死亡してしまったケースなど「死亡が予期」された場合には、センターへの報告は必要ありません。ただし、そうした患者であっても、明らかに処置上のミスなどがあり通常の経過とは異なるプロセスで死亡した場合には、「予期しなかった」ものとしてセンターへの報告が必要となってきます。

 もちろん、どこまでが「予期された」ものなのかは微妙なところであり、医療現場では「患者が死亡したが、報告すべき医療事故に該当するのか?」という疑問、また「初めて事故を報告するが、センターへどのように報告すればよいのか?」といった疑問が生じることがあるでしょう。

一方、遺族の中には、「家族が医療機関で死亡したが、医療事故として報告されていない。事故を隠蔽しようとしているのではないか?」との疑念をもつ方もいらっしゃるでしょう。

 こうした疑問・疑念の放置は制度の信頼性を失わせてしまうため、センターでは相談対応を行っています。今年(2019年)5月には、新たに170件の相談がセンターに寄せられ、制度発足からの累計では7099件にのぼっています。

 今年(2019年)5月に新たに寄せられた相談の内訳は、▼医療機関から:78件▼遺族などから:82件▼その他・不明:10件―でした。

 医療機関からの相談内容を見てみると、最も多いのは「報告の手続き」に関するもので49件(医療機関からの相談の51.6%)。次いで「院内調査に関するもの」23件(同24.2%)、「報告すべき医療事故か否かの判断」15件(同15.8%)となっています。医療現場には、制度の趣旨や内容が相当程度浸透し、理解も進んでいることが分かります。

医療事故の現況(19年5月)3 190607

 一方、遺族などからの相談内容では「医療事故に該当するか否かの判断」が71件(遺族などからの相談の78.9%)にのぼっています。ただし、こうした該当性に関する相談の中には「制度開始前の事例」「生存事例」など、そもそも報告対象とならないものも含まれています。「制度の正しい理解」が依然として重要な課題となっています。

 

センターへの調査依頼は新たに3件、92件の依頼中20件でセンター調査完了

 前述のとおり、医療事故調査制度の目的は「再発防止」にあります。再発防止のためには、事故が生じた医療機関等自らが調査を行い、自院の体制や手続き・ルールなどに問題がなかったかを検証する過程で「院内の課題」を発見し、そこから防止策構築に繋げることが重要と考えられ、「まず事故が発生した医療機関が、自ら原因究明に向けた調査【院内調査】を行う」ことが求められます。

医療事故の現況(19年5月)2 190607

 今年(2019年)5月に新たに院内調査が完了した事例は30件で、制度発足からの累計では1034件となりました。これまでに報告された全1380件の医療事故のうち74.9%(前月から0.1ポイント増加)で院内調査が完了しています。院内調査のスピードがまた上がったようです。

 
 
 なお、遺族側には「院内調査の結果に納得がいかない」「院内調査が遅すぎる。何かを隠しているのではないか」との思いも生じることがあるでしょう。一方で、診療所や助産所など小規模施設では「自前で院内調査を実施することが難しい」ケースもあると思われます(医師会や病院団体などの支援団体によるサポート体制あり)。

 そこでセンターでは、「遺族や医療機関等からの調査依頼を受け付ける」体制も整備しています。ここでは「センターが1から調査する」のではなく、「院内調査が時期・内容ともに適切に実施されたのか」という観点での調査が中心となります。

 今年(2019年)5月に、センターになされた調査依頼は3件で、すべて遺族等からの依頼でした。制度発足からの累計調査依頼件数は92件(遺族から74件・80.4%、医療機関から18件・19.6%)です。センター調査の進捗状況を見てみると、20件で調査が終了しています(前月から増減なし)。

出典:メディ・ウォッチ

誤って尿管を切除 宝塚市立病院で医療ミス

 宝塚市立病院(兵庫県宝塚市)は10日、市内に住む60代の男性患者に今年3月に手術を行った際、対象ではない部位を切除するミスがあったと発表した。男性は4月に退院したが、現在も2週間に1度通院しているという。

 同病院によると、男性は今年1月、腹部の大動脈と右尿管の間に腫れたリンパ節が見つかり、同病院を受診。悪性かどうかを調べるため、3月に腫れたリンパ節の組織を採取する外科手術を受けた。

 手術は50代の男性医師が執刀したが、リンパ節の腫れがひどく、近くにあった右尿管約4センチも誤って切除したという。手術後、血液検査やCT検査の結果などからミスが判明した。

 その後、同病院で腎臓に直接カテーテルを挿入する処置を行い、男性は現在、脇腹に尿をためる袋をつけて生活している。今後の対応は大学病院などで協議する。尿管に関する医療費などは市立病院が補償する。

 市立病院の今中秀光院長は「外科だけでなく、事前に泌尿器科などとも話し合って手術方法を決めるべきだった。今後は院内での連携を強化し、再発防止に努めたい」としている。

出典:産経新聞 THE SANKEI NEWS

薬を過剰投与、患者の視力0.01に 加古川医療センター

 兵庫県病院局は24日、県立加古川医療センター(加古川市)で、標準投与期間が2カ月と定められている抗結核薬を医師が誤って約6カ月、患者に過剰投与していたと発表した。患者は副作用で両目の視力が0・01まで低下したという。

 同病院局によると、患者は加古川市内に住む70代女性で、左脚の化膿性股関節炎の治療で入院。昨年6月、結核菌の陽性反応が出たため、主治医だった整形外科の20代男性医師が、感染症内科医の助言を受けて4種類の抗結核薬を投与した。

 うち1種類は、厚生労働省の基準で標準投与期間が2カ月だったが、男性医師は約6カ月過剰投与した。今年2月、女性が視力の低下を訴えて来院。薬の副作用で視神経炎を発症していたため、投薬を中止した。病院側は女性に謝罪し、視力回復治療を進めている。

 男性医師は薬の標準投与期間を知らなかったといい、県病院局は「今後は合併症を含む結核診療でも、感染症内科医が主治医を務めるようにする」としている。(前川茂之)

出典:神戸新聞NEXT

三田市民病院で診断ミス 遺族に三百万円支払いへ

 三田市民病院(兵庫県三田市けやき台3)で3年前、市内の男性(当時76)に対する診断ミスがあったとして、三田市は28日、遺族に300万円を支払うと発表した。6月4日に開会する市議会定例会に損害賠償の議案を提出する。

 市によると、男性は2016年8月26日、午前と午後に自宅で転倒してそれぞれ同病院に救急搬送された。当時勤務していた脳神経外科の20代の男性医師が診察し、頭部コンピューター断層撮影(CT)検査の画像から2回とも「異常なし」と診断。男性は帰宅したが、翌日も自宅で倒れ、入院した別の病院で2日後に亡くなった。死因は急性硬膜下血腫だったという。

 翌17年3月、遺族から画像診断のミスを指摘され、三田市民病院が調査したところ、2回目に撮影したCT画像に右硬膜下血腫があったと認められ、5月に遺族に謝罪した。同病院は、診断ミスが男性の死亡に直結したかどうかは不明としたが、過失は免れないと判断した。(山脇未菜美)

出典:神戸新聞NEXT

神戸・西市民病院で死亡の男性 発信機が電池切れ

 神戸市立医療センター西市民病院(長田区)は4日、救急病棟に入院していた県内の40代男性患者が3月に亡くなった際、心電図などのデータをナースステーションのモニターに送る発信機の電池が切れていたと発表し、謝罪した。

 病院によると、男性は昨年11月、頸椎椎間板ヘルニアで入院。その後、誤嚥性肺炎を発症し、人工呼吸器を一時装着したが、2月13日からは自発呼吸で治療を受けていた。

 3月24日午前零時前、看護師が血糖値を測定した際は異常なかったが、約1時間後に別の看護師が同室を訪ねた際、呼吸停止に気付いた。当時同病棟で電池式発信機を使っていたのはこの男性だけで、マニュアルで定める電池の入れ替えもされていなかった。また電池切れを示すアラーム音量を小さくしていたため、同病棟の当直スタッフ4人の誰も気付かなかった。

 外部有識者も含めた「医療事故検討・対策委員会」が5月に開かれ、死因は特定できなかった。

出典:神戸新聞NEXT

医療ミスで九大病院に1.5億円支払い命令

 九州大病院(福岡市東区)で、脳腫瘍の疑いが検査で指摘されていたにもかかわらず、医師が見落として後遺障害を負ったとして、福岡県の30代女性が同病院に慰謝料など約1億9700万円を求めた訴訟の判決が21日、福岡地裁(波多江真史裁判長)であった。波多江裁判長は、見落としと後遺障害との因果関係を認め、同病院に約1億5700万円の支払いを命じた。

 判決によると、女性は2006年8月に食欲不振などを訴えて同病院心療内科を受診。同年10月に入院し、頭部CT検査を受けた。検査で1・6センチの脳腫瘍の疑いが確認され、放射線科の医師が報告書に書き込んだが、心療内科の医師が見落としていた。

 11年11月に自宅で転倒し、同病院の検査で脳腫瘍による水頭症と判明。腫瘍は約6センチに増大しており、見落としから約5年2カ月後の12年1月に摘出手術を受けた。女性は記憶力の低下や、左腕や左足にしびれなどの後遺障害が残り、15年に精神障害者保健福祉手帳を取得した。

 波多江裁判長は「見落としがなければ、定期的な経過観察で脳腫瘍の増大を発見し、早期に手術を受けることができた」とし、見落としによる過失と後遺障害との因果関係を認定。そのうえで逸失利益や将来介護費などから賠償額を算定した。

 判決後、女性の母親は記者会見で「病院には二度とこのようなことがないようにしてほしい」と話した。九州大は「結果として治療が遅れたことは、大変申し訳なく思う。判決文が届き次第、対応を検討したい」とコメントした。【宗岡敬介】

出典:毎日新聞